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缶蹴り・・イバの少年時代はギリギリの良き昭和時代だったと今では思います。 ビー玉、メンコ、凧揚げ、コマ遊びなど昭和の匂いをプンプンさせる遊びと同時に、 乾電池やボタン電池が必須な電子ゲームが次第に広まっていた微妙な時代でありました。 公園でドッジボールやキックベース(フットベースともいった:野球のルールでサッカーボールを 転がしてバットの代わりに足で蹴る遊び)をみんなでやっているかと思うと、その後は隅っこの ほうでゲーム&ウォッチやらそれに似たような電子ゲームで遊んだりしていました。 今ほど偏った遊びかたではなく、実にバランスよく毎日遊んでいたような気がします。 そんな中で空き缶がひとつあれば出来てしまう素晴らしい遊びの王道「缶蹴り」がありました。 一応知らない世代のために説明すると、まずオニを一人決めます。そしてその他大勢はオニが 缶の前で100まで数えてる間に四方八方に走って身を隠します。数を数え終わったオニは 隠れている人を探して見つけると「○○ちゃん、トン」と名前を言いながら缶の上の部分を 足裏で踏みます。見つかった子は缶の近くに待機します。これの繰り返しでオニは次々に隠れている子を 探すのですが、このとき注意するのは常に缶を意識することです。というのは、もし他に隠れている子が この缶を蹴ったらまたオニは最初からやりなおしです。すでに見つかって待機してる子も開放されます。 なのでオニはどこまで深追いするか微妙な判断をしなければいけません。逆に隠れてる子は オニの動きを見つつ缶を蹴る計画をたてることになります。 などと、まあだいたいの要素は理解してもらえたかと思いますが、この遊びにはゲリラ要素も あって、オニが缶の目の前にいようが4,5人で缶を蹴りに行くと「あぁ〜っ!たっちゃん、トン、 シュウちゃん、トン、みきひさくんトン・・」とやっている間に名前を呼ばれなかったケンちゃんが 缶を蹴ってしまうとまたイチからやり直しです。オニもたまったものじゃありません。 あと、名前を間違えて「トン」してしまうとまたしてもペナルティとしてイチからやり直しです。 例えばたっちゃんの靴とズボンをシュウちゃんが履いてワザをオニに見えるように隠れます。 そこでオニが「あっ!たっちゃん、トン」とやると「へへへへ〜俺シュウタだよ〜」などと 自己申告するとまたしてもオニはイチからやり直しです。 缶は立てた状態で遊ぶのですが、これがすごく重要です。例え自分のせいじゃなくて風が強くて 倒れてしまっても、オニはまたイチからやり直しとなります。対策として缶の中に砂や砂利を入れて 少々の風では動かないように工夫する子がほとんどでした。 邪道な手段として、隠れた場所から石を投げて缶を倒す方法も実行されたケースもありますが、 さすがにこれは姑息だ ということで後々に「投石缶倒し禁止令」が発令されました。 そして見つかってしまった子らはオニの目を盗んで他に隠れている子に指示したりもします。 (ケンちゃ〜ん今今!缶蹴れるよぉ〜)などと手招きや目配せして自分を再び自由の身に なろうと必死です。かくいうオニも(もうこんな役いやだぁ〜絶対に缶は蹴らせないぞっ)と このゲームを終了させようと必死です。 と、ここまで書いてきて改めて感じたことは(缶蹴りって、公然いじめだなぁ〜)って感じました。 どこまで行っても「一人のオニVS大勢の缶ハンター」って図式になってしまいます。 もちろんオニも隠れるほうも真剣に遊んでいるからこういう結果になるのだろうけど・・。 このようなルールであるので、よほど優れたオニでないとこのゲームを完遂(全員見つける)するのは 困難です。誰もがオニにはなりたくないので、最初のオニ決めのジャンケンはかなり白熱しました。 ちなみに一番最初に見つかった子が次回のオニになります。 そしてもっともいけない「缶蹴り」もありました。普段から気弱でどっちかっていうといじめられっこが オニになると実行することが多かったのですが、オニが缶の前で目をつむって100まで数えてる間に その他の全員は別の場所(遊び場)へ移動して、缶けりそっちのけで別の遊びをしたりするケースが ありました。 オニになったほうは(おかしいなぁ〜全然見つけられないやぁ)などと必死で缶にも注意しつつ 探すのですが、見つかるわけがありません。しかしこういう場合でもオニは(ボクの見つけ方が いけないんだなっ、よしっ!ちょっと冒険するか)と、缶からかなり離れて近所の住宅街を探すの ですが、もちろんそんなところにいるはずもありません。そして何時間か経って(そういえば みんなの自転車がないっ!うっ、やられたぁ〜・・)などと悔し涙を流す子も多分いたはずです。 先に「空き缶がひとつあれば出来てしまう素晴らしい遊びの王道」と謳ったわたくしですが、 ここで訂正のお知らせです。「素晴らしい」と「王道」という文字は削除してください。 う〜ん、なんかこうやって思い出しながら書いてると全然素晴らしくもなく、どっちかっていうと いじめの温床のような遊びに思えてきたなぁ。 でも、ちゃんとルールを決めて真剣に「缶蹴り」をすると本当に楽しいので、機会があれば実践して みてください。 以上、全日本缶蹴り普及実行委員会・東海支部代表補佐のイバがお送りしました。 |