タバケムいろはコラム2
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「れ」・・レコード

初めてレコードを購入したのは確か小学5年とか6年とかそんな頃。当時はカセットテープ(すでに死語)に気軽に録音できる 「コンポ」というものがすでに出始めてた頃でもあったけど、自宅にはそんな便利なモノはなく、親が使っていた 本当にほんと、生粋の「レコードプレーヤー」でした。つまりは聴くだけ。

小学生の時はそれほど執着はありませんでしたが、中学に上がってからというものの、いやゆる「エアチェック」(これも すでに死語なのかも・・ラジオから流れる音楽を録音して個人的に楽しむ行為)にハマってて、毎週のように週末は 部屋でエアチェックしていました。ラジカセも「Wラジカセ」なんていうものが出てきた頃で、音質は劣るものの、好きな 曲順に編集できる優れもの(当時)でした。

そんなエアチェックをして自分なりに編集して、友達の家に持ち寄って「これ、マイベストテープ、んもう最高っ!」
などと、我が選曲のセンスの良さを自慢したい年頃でした。ちなみにそんなものはセンスでもなんでもなく、単なる 「俺これとこれが好きでいつも聴いてるんだから、オマエも当然聴くだろ?」という、単なる押し付けとワガママの 濃縮された思春期初期特有の、いやゆる自己陶酔みたいなものだと知ったのは、それから数年後のことです。

全く迷惑極まりないことをしていたと、今ではすっかり反省しています。

しかし、まだレコードからカセットテープに録音できる機能を携えたコンポを持っていなかったわたくし、が、どうしても 愛蔵レコードをカセットテープに入れて作りたい「マイベストテープ」がありました。

(ううむ・・コンポがあれば簡単な話なんだけど、ウチにはないしなぁ・・)

などと一人きり自宅で悩むわたくし。ちなみに時は中学に入って初めての夏休みの出来事です。

(うん、もうコレしかない、コレでいこう!)と、当時のわたくしが出した結果が「レコードプレーヤーのスピーカーの前に ラジカセを置いて録音 しかもなるべく雑音が入らないように静かにする」でした。

さっそくラジカセを準備して雑音がなるべく入らないように開け放った窓を閉めます。扇風機も止めて(当時はエアコンなんて 居間にしかありませんでした)録音開始です。

お気に入りのレコードにそっと針を落とし、頃合を見計らってラジカセのRECボタンを押します。

「♪チャララララ チャラララララ〜」

なるべく雑音が入らないように息を潜め、普段なら唄にあわせて口ずさみたい逸る心を抑えつつ、部屋の中は 締め切ってあるのでサウナ状態で汗ダラダラなわたくし。陽気な音楽が流れる中、息を潜めて(うまく録音してくれっ!) と願うばかりでした。

しかし結果的にいえば、思わぬクシャミとか、鼻をすする音とか、家の前を通る車のクラクションなどに 「ええかげんにせんかい!」とマジ突っ込みしたくなるほど邪魔されて、 結局3、4回リトライしたけどうまく録音は出来ませんでした。

録音失敗の度に部屋の窓を開けて扇風機を最高速で回して涼を得ているわたくしイバ、(もうこれで最後にしよう、 これ以上は身体的に無理だ)と判断したわたくし、最後の録音に命をかけていました。

・・いや、おおげさではなく、真面目に命を懸けるくらい必死だったのは間違いないのです。

本日何度目かのレコードに針を落とし、ラジカセREC開始です。 (頼むぅぅぅ) そんな神いも祈るような気持ちで本日何度目かの録音を開始しました。

「♪チャララララ チャラララララ〜」

いくら大好きな曲でも、こんなに連続、しかもサウナ状態である過酷な状況で聴いていると、意味もなく陽気に歌う アーティストにも罪をなすりつけたくなるようです。
(おまえら陽気に歌いやがって!こっちは大変なんだよぅ!)なんて、コンポさえあれば もしくはライン出力のある プレーヤーであれば回避出来る事なのに、逆ギレ寸前状態でした。

曲も終わりが近づくにつれ(お、今回はクラクションもなかったし、クシャミもしてないぞ、いいぞいいぞウフフ・・) などと、ようやくミッションを果たせる間際に悲劇が起きました。


「ガチャッ」(ノブを回す音)

「なぁに〜この暑いのに窓閉めて〜。ちょっと布団干したいからベランダ使うね」

・・・とどめを差したのはわたくしの母親でした。

怒り というのはとっくに通り越して(もうダメ俺ダメ限界オレ)という心境になってそのまま泣き崩れてしまいそうな わたくしイバでした。

「ヘンな子〜」などとつぶやきながら布団を干す母親・・まだわたくしいわゆる「反抗期前」だったのでこの程度で済んだけど、 これが反抗期に入ってた頃だったら・・・


と、まあ、こんなこともありました。