|
「ら」・・ラーメン これはすごく不思議なことだけど、ラーメンが苦手もしくは嫌いという人がいないのは どうしてなのだろう。まあ、味付けによっては「おいらはトンコツ系は苦手でねぇ」とか 「あたしショウユ味しか食べられないの」という人はいると思う。しかしそれはラーメンが 苦手なのではなく、トンコツ味が苦手 ということなのであって、ラーメン自体は大丈夫なので ある。たまに「麺をすする音が出てしまうから食べない」なんて人も、特に女性ではいるかも しれないが、こういう人はきっと一人で自宅でこっそり食べているに違いない。実際に 見たわけではないけど、きっとそうだ。長めの髪を後ろで束ねて、もしくは左手で上手に ラーメン丼に髪が入らないようにして食べているのだ。 そしてそういう人に限ってパスタとかも大好きであったりして、フォークとスプーンを使って くるくるっと一口サイズに丸めて上品に食べていたりするのだ。と、勝手に決め付けてみたところで 話を戻そう。 今や国民的食べ物になったラーメンだが、一時のブームは凄かった。こだわりのダシにこだわりの 麺、こだわりの塩にこだわりのチャーシューなどなど「どこまでこだわりますのん」と突っ込みを 入れたくなるほど職人化している。それはそれで良いことだとは思うけど、基本的にはどこまで いってもラーメンはラーメンであり、フカヒレが入って1杯1万円と言われても、割合的にいえば せいぜいフカヒレ八千円:その他千円:テナント料千円ってな具合になるのではないかと思う。 などと長々とどうでもいいことを語ってしまったが、そんなことを言いたかったわけではないことを ここまで語ってきてようやく気づいた(遅すぎ?)。先日とあるラーメン屋で昼食を取ったとき、 たまたま隣にいた人をネタにしてみようと思った次第である。 いつもは昼時に外食するときは、決まって込み合う12時から1時という時間帯はあえて避けている。 順番待ちで待たされるのも嫌いだし、注文してから出てくる時間が長いからだ。しかしこのときは 1時から人に会う約束をしていたのでやむなく通常の昼時にたまたま目に付いたラーメン屋に 入った。 案の定ほぼ満席で(座れるかなぁ)と不安げであったが、カウンターがちょうと空いたらしく そこに案内された。水を持ってきた店員にメニューを見ながらすぐに注文をする。おもむろに 水を飲む。ここまではごく普通だ。他の人は一人でこういう店に行ったとき、なにをして 時間をつぶすのだろう。わたくしはとりあえずメニュー表をもう一度隅々まで見直したり、 ケータイでニュース速報などを見ているときが多い。そしてなにげなく周りの人(この場合は 両隣)の行動を観察している。 左に座っている人はすでにラーメンを食べている。推定40代後半、スーツを着ているところから 営業の合間に昼食 といった感じである。ギョーザとライスも置かれている。きっと セットメニューなんだろう。基本的にライスの丼を常に片手にして、ギョーザも麺もオンザライスに して食べている。丼モノ大好き文化・日本の鏡のような食べ方だ。ま、麺でライスを食べるところについては 未だによく理解しがたいところではあるのだが。 右に座っている人は注文待ちで、わたくしと同じ立場である。年齢は推定20代後半から30代 前半といったところか。彼もケータイを覗き込んでなにやらボタンを押している。メールの やりとりをしているのかもしれない。 ほどなくして右隣の注文が来た。「から揚げセット」だ。ラーメンとライス、そしてから揚げだった。 一応補足しておくと、別にイバが「どれどれ」と覗き込んだわけではない。店員さんが持ってくる ときに「お待たせいたしました、から揚げセットです(になります と言ったかもしれない)」と 聞こえたからだ。そこんところお間違えないように。じゃないとイバが覗き魔のように扱われて しまう。まぁこっそりと人の観察をしているのだから似たようなものかもしれないが。 (俺のはまだかなぁ〜)などと思いながらちらっと右の人を見ると、彼はラーメンには 全く手をつけずにまずは≠ニばかり、から揚げをオカズにライスを食べていた。 食べ方なんて人それぞれだから別にこのときはなんとも思わなかった。むしろ左隣の人のように 麺で御飯を食べるよりはよっぽど上品だな と思っていた。もしかしたら彼にとっては から揚げ御飯のデザートとしてラーメンを食べるのかもしれないし、もしくは単純に猫舌で、 ラーメンに手が付けられないからこういう食べ方をしているのかもしれない。 まぁ、総じてどうでもいいのではあるが。。 そんなことを思っていたらようやくイバの注文した塩ラーメンが来た。待ってましたとばかりに 割り箸を手にしてまずはスープから頂いた。これはイバの癖でもある。まずスープを一口飲んで、 それから麺を食べ始めるのだ。若干猫舌気味なので、麺が熱い場合はレンゲに一時的に麺を置いて フーフー冷ましてから食べる。 このレンゲに麺を乗せる行為を邪道だと言う輩がいるが、そんなもん自分の勝手だし、 たかがラーメンで正しい食べ方とは≠ニかスープは一滴残らず飲め≠セとか 食べ切るまで水は飲んではいけない≠セとか、 いちいちうるさいんじゃい!というわたくしイバである。ただし、出てきた直後に有無をいわず コショーを入れるのだけは、いくらバイトが作っているチェーン店であろうとあまり良い行為では ないとは思う。せめて、まずは味見をしてからコショーを手にしてもらいたいと願う。(イバも なんだかうるせえ奴だなぁ) そうしてフーフーしながら塩ラーメンを食べていると左隣のオンザライスおじさんは食べ終わったらしく そそくさと伝票を手にして席を立った。同時期に右隣のお兄さんもから揚げとライスが食べ終わった らしく、ようやくメインのラーメンに手を出した。 と思ったら、いきなり丼を両手にしてゴクゴクとスープを飲み始めたではないか。途中2、3回 休憩を挟みながらも、とにかくスープをまずは平らげようとしている。 あまりにも予想外の行動だったので、思わず隣に顔を向けたまま視線がロックオンしてしまった。 幸いにもこのお兄さんの視線は丼の中しか見えないだろうから、 まさか隣の席の人(わたくしです)に凝視されているとは夢にも思わないだろう。 再びそしらぬ振りして目の前の塩ラーメンを食べ始めるわたくしであるが、一度気になってしまうと 最後まで確認をしたくなってしまうのが人間というものだろう。どっちかっていうと早食いのわたくし だが、このときばかりはわざとスープを堪能したり麺を必要以上にフーフーしたりして時間を稼ぎつつ、 彼の次の行動にこっそりと注目した。 しばらくしてどうやら彼はスープは飲み干したようだ。口直しなのか水を飲んでいる。そして おもむろに箸を手にして今度は麺だけを食べ始めた。彼の丼の中を直接覗いたわけではないので なんともいえないが、きっとチャーシューとかメンマなど固形物はそこにあるのだろう。そして それを麺と共にノンスープで食べているのだ。 ・・ま、胃の中に入ってしまえば同じことだし、ラーメンに限らず例えば牛丼にしても、先に 上に乗っけてある肉だけ食べてから残りの御飯を食べても、本人がそれでいいのならばそれで いいとは思う。 いいとは思うけど、果たしてそれは旨いのか?という素朴な疑問は払拭出来ない。 もしかしたら味なんてどうでもよく、腹が満たされれば満足な人だったのかもしれない。 万が一、ありえないと思いつつ、ひょっとしたら意外にそっちの食べ方のほうが旨いのかもしれない。 人は千差万別なものなのだということを、改めて思い知らされたお昼のひと時でした。 |