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「め」・・めでたい 合格・入学・卒業・正月・結婚・出産などなど、めでたいことは数多くあります。もちろん めでたいことの数と同じだけ「めでたくない」こともあるのですが。。 しかしながら、自分自身にとって定期的に訪れるめでたいことといえば、つまりは誕生日であるのでは ないかと思われます。そのなかでもとびっきり特別な誕生日といえば「二十歳の誕生日」です。 タバコ・飲酒の解禁というのは、大人として自覚し、責任をもって行動をする義務の裏返しでも あります。罪を犯せば実名で載ってしまうのも未成年との大きな違いであると思います。 そんな大人へのステップである重要な節目の二十歳の誕生日、個々にさまざまな思い出などがあると 思います。むろんわたくしも一生忘れられない思い出があります。とびっきりのプレゼントも 頂きました。 今回は短編小説風(単に気取っているだけ?)で、どうぞ。 あれは晴れた日だった。大学の講義は午前だけあって、それを済ませると暇を持て余していた。 今日はコンビニのバイトもない。 10月初旬の秋晴れは空がとても高く見え、秋雲が気持ちよさそうに悠々と流れている。 あれだけギラギラと熱視線で焦がせた夏の太陽もすっかりおとなしくなると同時に 残暑もどこかへ消え去って、街には爽やかなそよ風がさまよう。 ついこないだまでは半そでTシャツだったのに、そろそろ長袖のシャツが心地いい季節だ。 夜は開け放った窓から聞こえる虫の音に耳を澄ませて読書をするのもよいだろう。 明日は祝日。小学校や中学校では、恒例の運動会の準備に追われているに違いない。 こういう気持ちのいい日はそんなに長くは続かない。うかうかしてるといつのまにか木枯らしが 寒々と舞い始める。秋という季節は、夏の終わりから冬の始まりまでの通過点に過ぎない。 そんなどこか切なげな気持ちをちょっぴり抱きつつ、愛車に乗り込んだ。 目的はない。窓を全開にして風と戯れたいだけだ。 イグニッションを回せば軽快にエンジンが応えてくれる。今日も相変わらず調子がいいみたいだ。 おもむろにカーステレオをオフにする。こんな日は音楽なんていらない。大好きなロックも 俗受けするポップスも、いらない。 クラッチを切りシフトを入れる。まるで自分の手足のように愛車は走ってくれる。 風が気持ちいい。これがバイクであればもっと堪能できるのだろう。 一瞬、2輪免許の取得を考えた。それもいいかもしれない。 街のざわめきが聞こえる。対向する車の風きり音、エンジン音、鳥のさえずり、 いろんな音が交じり合って格別なBGMとして耳に流れる。 ふと目の前の信号機が黄色に変わる。いつもなら強引に交差点を突っ走るのだが、今日は違う。 心に余裕があるのだろう。もともと目的も約束も、なにもない。あるのは優雅な時間だけ。 全身を和ませる優しい季節のなか、ゆっくりと減速して停止線で停まった。 タバコを取り出し、お気に入りのジッポーで火をつける。至福の瞬間だ。 ゆっくり息をはきだすと、まるで身をくゆらせるように窓の外へ躍り出る。それを目で楽しみながら信号を待つ。 と、そのときいきなり道端から警官が飛び出してきた。鳩に豆鉄砲とはまさにこのことだ。 そういえば交差点の角には派出所が見える。その裏へ向かうように誘導される。何事だ? 「・・え?なんですか?・・」 「お兄さん、シートベルトしてないねぇ〜駄目だよぉ〜ハイ免許証見せて〜」 「・・イヤ、あの・・・」 「はい、じゃあここに右手の人差し指で捺印してねぇ〜」 「・・・・・」 「へぇ〜今日誕生日なんだ〜、ハイじゃあこれプレゼントねぇ〜、今度から気をつけてね〜」 バッドサプライズなプレゼントは「1点減点・反則金なし」。 ・・そんなイバ、二十歳の誕生日、嗚呼・・。 |