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「む」・・「無茶」 考えてみればわたくし、いろんな無茶なことをしてきた。その大概のことをこのサイトで けっこうネタにしているので、さすがにもう無茶だった出来事はないだろう と思っていたら、 あった。しっかりありやがったのである。 ま、無茶といえば無茶だけど、他の言葉で表現するとしたら「馬鹿」になる話をさせて いただこう。しかし、なぜ「お茶」が「無い」と「無茶」なのだろう。誰か知っていたら教えて いただきたい。 大学時代にイバが住んでいた街は、いわゆる県庁所在地であった。県庁所在地というからには やはり県内では一番発展している。各県共通で、どこを見て発展しているか否やかを判断するのは もちろん駅前である。その駅前のメイン通り脇にはバスターミナルがあってロータリーの ようにぐるぐる回れるようになっていた。1周すると全長およそ1キロにはなるのだろうこの ロータリー、土曜の夜になるとどこからともなく若者が車でやってきてこのロータリーを 延々とぐるぐる回り続けるのがこの街の流行であったらしい。通称「大名行列」といっていた。 いわゆるナンパ目的なのもあったと思う。その証拠に女の子の車もそこに参加していて、バスターミナル のある片側4車線のメイン通りでは二重停車でやりとりするのを頻繁に見かけた。 そして彼ら地元人の車は「なぜその若さでそんな高級車をッ!」というくらい身分不相応な車に 乗っているのである。そんな車を見せびらかすという目的ももちろんあるかもしれないが、とにかく 「土曜の夜は駅前のロータリーを我が愛車で朝がくるまでグルグル回るのだ!」という遊び(?) があった。 ハタから観たら「??」というこの行動だが、そんなところまで「郷に入れば郷に従う」 バカな大学生イバである。暇を持て余した週末の夜に、ちょくちょくと同じ寮の友人らと参加していた。 ちなみにパトカーもたまに巡回に来るのだが、メイン通りで二重停車する以外は特に道路交通法に 違反するわけでもなかったので、何もお咎めはなかった。むしろそれを見学に来る高校生とかに 「早く家に帰りなさい」と促すくらいであった。 しかし全く目立たなかったのである。何しろ周りは高級車かヤンキー仕様のド派手な車ばかりである。 イバのノーマルFXやハマジマくんのサニーローレルではまるっきり目立たないのである。つまりは ナンパを成功させる確率が格段に落ちているのであった。唯一目立つのは車のナンバー(県外だからね) だが、そんなところに目を向けるギャルや小娘、ヤンキー娘、女子大生などは一人もいないのである。 「う〜ん、なんとかして派手に目立つ手はないものだろうか」「う〜む・・」 ロータリーの真向かいにある西武百貨店の前に車を横付けし、コーラとコーヒーを片手にタバコを くわえながら、イバとハマジマくんは足りない知恵を精一杯絞っていた。 と、突然イバの頭の中で青い稲妻が火花を散らすがごとく妙案が閃いたのだった。 「そうだ!バックでロータリーを流そう!」「おぉ!それはいい!まだ誰もやってないッ!」 というわけで早速ハマジマサニーローレルは歩道に乗り上げ、バックギヤに入れて「大名行列」に 珍入した。 「どうだっ?どうだっっ?」「おぉ〜!みんな笑ってるけど確かにダントツで目立ってるぞぉ!」 そんな会話をしながら首を後ろに向けて(この場合は前だけど)必死で運転するハマジマくん。 隣で爆笑するイバ。すぐ後ろを走っている(といっても時速15キロ程度)車の運転手と 目を合わせるとやはり彼も爆笑している。 結局ハマジマくんの首がものすごく疲れるという理由で、バックで大名行列への参加は1周のみ だったが、当時のわたくしらは大満足だった。もうナンパうんぬんということより、発想の 転換でこれほど注目されたことに満足していたのだった。 しかし「バックで大名行列」というアクロバティックな走行は、以後誰も真似することもなく、 かといって伝説になるほどのことでもなく、次第に人々の記憶がら消えていった。 どっちかというと「大名行列でバック走行した三河ナンバーのローレル」という、バカな大学生を よりいっそう強調させる汚点を作っただけだったのかもしれない。いや、きっとそうだろう。 妙な提案をしたイバもイバだが、それを実行したハマジマくんもハマジマくんである。 無茶といえば無茶な行動であるし、他の言葉で表現するならば「馬鹿」以外のなにものでもない。 若さ≠ニは馬鹿さ≠ナもある。我ながら馬鹿な発想をしたもんだ。。 |