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「ひ」・・少年期には必ずといっていいほど「ヒーロー」というものに憧れる時期がある。 今でも続くレンジャー部隊ものとか仮面ライダーものとか、もしかしたら今なら小島よしおを 神と崇める少年や、にしおかすみこに憧れる少女もいるかもしれない。あ、やばい、こんな 急激にブレイクした芸人さんの名前を出すと、近い将来きっとこれを書いたイバ自身が 後悔することになるかもしれない・・。ま、いいか。 ・・もとい、そんなのカンケーねぇ! だ。 かくいう少年イバも、友達と「ヒーローごっこ」をした覚えがある。レンジャー部隊の元祖 「ゴレンジャー」になりきってワイワイ遊んでいた。が、特にどんなことをしていたかというと たいしたことはしていないと思う。ようはそのヒーローに「なり切る」ことが肝心であって、 それは想像力豊かな少年少女だからこそ遊ぶことが出来る、いわば子供の特権みたいなものだ。 なので、どういう遊びだろうが、それはたいした問題ではなかったように思う。 しかしながらこの「ゴレンジャーごっこ」に関しては5人揃った覚えがない。なぜなら 少年というものは、少女(女の子)と遊ぶという行為は男の美学(?)への 背徳行為にあたるようなものだったからだ。 だから、例えばママゴトに誘われても断っていたし、たまに強引にお父さん役を務めさせ られたときも 心底から楽しんでいなかった気がする。今となっては本当に楽しくなかったのか、はたまた 周りの友達から「あいつ、オンナとママゴトしてるぜ〜」なんて卑屈なまなざしを嫌っていたのか 定かではないけど、とにかくなぜか当時の少年というのは男同士で遊ぶのが基本であって、 オンナがその仲間に入れるのは誰かの妹とか、血縁関係がないと許されないような雰囲気があった。 と、まあそういうわけで「ゴレンジャーごっこ」は紅一点の桃レンジャー不在のまま、あるいは 赤レンジャーが3人いても、全員で5人じゃなくても「五人そろってゴレンジャー!」と、やっていた のである。ちなみに黄レンジャーはやはり太ってるからという理由とか、カレーが好きという 理由で「おまえ黄レンジャーな」と、指名するのがほとんどであった。今思うと 「カレー好き」なんていうけど、カレーが嫌いな子供なんて果たしているのかどうか甚だ疑問ではある。 まあどちらにしても自ら「ボク黄レンジャーやります」ということは無かったように思う。ということは、 やはり人気の赤レンジャーがわたくしらの「ヒーロー」であったのだなぁ。 そういえばライダーもので「ごっこ」というと、ちょっと面白い現象があった。 が、これは少年イバの周りだけの現象だったのかも知れないのであしからず。 例えば10人くらいで「仮面ライダーごっこ」をするとしよう。大概活発な少年は早いもの勝ち的な 行動で「オレ仮面ライダー!」「じゃオレV3!」などと初めは取り合うのだが、若干気持ち悪い 部類に入る「アマゾン」なんかは人気がなく誰もやりたがらない。まあ、よくよく考えれば 仮面ライダー自体がハエみたいな顔で気持ち悪いのだが、そこはやはり悪者を退治する という ヒーローであるためにこんな「ごっこ」をやっていたのだろう。 さて、ここでいつもの「ヒーローごっこ」と違うところ・・・それは仮面ライダーのポジションを ゲット出来なかった他の少年たちは必然的に敵のザコ役「ショッカー」になる。もちろんゴレンジャー ごっこの時のように、仮面ライダーが3,4人いるという状況もあったのは間違いないのだが、 たいていはショッカー役になる。 最初のほうこそ「イヤだよ〜ショッカーなんてさー」などと明らかに不満げなのだが、「ごっこ」を やっていくうちに次第に盛り上がり、あの例の奇声を放ちながら仮面ライダーに立ち向かう のである。しかも悪役だから姑息な攻撃も「だって悪役なんだも〜ん」と許されるし、 だいたいが圧倒的にショッカー役のほうが 人数が多い。そこでライダー役は「駄目だよ、悪役なんだから負けてくれなきゃさぁ!」などと 言い訳をするのだけど、ショッカー役の面々は狂ったように「ヒィ〜!ヒィ〜!」と奇声を上げてライダー役を 攻撃する手をやめない。 こうして正義の味方である仮面ライダーを倒してしまう(泣かせる) というのが常であった。 ウルトラマンごっこはどうだったろうか。これは圧倒的にウルトラマンセブンが人気ナンバー1で あった。なぜだったのか今から思い起こすと、きっと「アイスラッガー」という飛び系の武器が あったためだと思う。いや、確実にそうだ。出ているか出ていないか分からないスペシウム光線よりも、 実際にブーメランのように飛んでいくアイスラッガーのほうがリアルであったためだと思う。 そして誰が編み出したのかは知らないが、帽子のひさし(ツバというのか?)をアイスラッガーなる あのモヒカン部分に見立て、頭の上に乗っけてから「シュワッチ!」と言いながら飛ばす。 本家のウルトラマンセブンが実際にシュワッチといいながらアイスラッガーを飛ばしたのかは 知らないけど、とにかくみんなそうやって遊んでいた記憶がある。 余談だが、「アイ・スラッガー」なのか「アイス・ラッガー」 どちらが正解なのだろう。 まさか「ア・イスラ・ッガー」ではあるまい。余談終わり。 このように「ヒーローごっこ」はテレビのなかの「被り物」的正義の味方が圧倒的だったが、 あるとき初めてアニメものでごっこをやったことがある。 それが「ガンダムごっこ」である。 きっとガンダム世代でいうと少年イバの時代は、初期の後半というところに当たる。初めて放映された あとに、再放送で知った世代なので全く初期でもなく、非常に微妙である。 これもちょっと変わった面白さがあって、まあ少年イバの周りだけの現象であるとは思うが、 普通なら「おれガンダム!」とか「おいらグフ!」などとなりそうなところなのに、なぜか 「おれ赤い彗星!」「じゃあおいら青い彗星!」などとなっていたのである。そんな感じなので、 まだアニメすら見たことがない少年らも当然いて、彼らは「ん〜と、じゃあおれ黄色い彗星!」 「オレ白い彗星!」「紫色ボクも〜らいっ!」などと、フィクションアニメからさらに フィクションの「彗星」シリーズともいえるモビルスーツを作り出す始末であった。 そして、役決めが終わったあとは公園にある滑り台の上とか鉄棒の上とかから遠くに飛び降りるので ある。ようはモビルスーツが宇宙に飛び出すシーンを真似したかったのだと思うのだが、 結局のところ、赤い彗星も白い彗星もシーソーから飛び降りる前に言う決め台詞は、 「ガンダム行きますっ!」もしくは「アムロ行きますっ!」であった。 ・・まぁ、結局役決めなんてそんな程度のものである。 ところでこの遊び、誰が思いついたのか知らないが、次第にブランコを利用してもっと遠くまで 飛ぶようなことを始めた。まあようするにただ高いところから飛び降りるには物足りなくなった のである。しかしブランコの上に立ち、遠心力をつけて飛ぶのはかなり難しかった。飛び出す タイミングもさることながら、遠くへ飛ぼうと前後する力が大きければ大きいほど前方ではなく 上方に高く投げ出され、けが人も続出した。しかし誰もこの遊びをやめようと思わなかった。 むしろ足りない頭を悩ませて(どうやったらかっこよく”アムロ行きます”が言えるのだろうか)と、 みんなでいろいろ考えていたものだった。 そのうちブランコの隣にある、ゆりかご型のブランコを利用して「ガンダムごっこ」を やり始めた時の事である。 この乗り物はブランコみたく自力で動かすことが出来ないので 友人の手を借りて激しく揺らし、タイミングを見計らって「ガンダム、行きま〜す!!」と 飛ぶようになった。ブランコよりタイミングをとるのが簡単で、しかも格段に遠くまで飛べるので 「次オレ次オレ〜!」と、大人気であった。一瞬ながら空を飛ぶ瞬間というのは、それはもう 爽快であったことは記憶にあるので、本当に楽しかったのだろう。しかも飛ぶ瞬間に例のアムロの 名台詞を叫べば気分はすでに「ガンダム」である。 当然、着地に失敗して頭や背中から落ちる子も続出したけど、そういう子こそ(次こそちゃんと 着地してやる!)とムキになるのが常だった。このチャレンジ精神はものすごい事だけど、危険と いえば危険だし、その情熱をもっと他のこと(勉強とか)に注げばいいものの、少年というのは やはり本来はこういう姿であるべきだ と、大人のイバは思うけど、どうだろうか。 と、話が逸れてしまったが、元に戻そう。 すでに「ガンダムごっこ」からかけ離れて、誰が一番遠くまで飛べるか と、競うのが目的に なってきた頃の話である。 いつものようにゆりかご型ブランコを激しく揺らす担当と、飛ぶ担当に分かれて順番に 飛びまくって新記録を激しく更新していたとき、誰だったかすでに忘れたが仮にA君としよう。 A君が、揺らす担当に 「ここらで誰にも負けない新記録を作るから限界までゆりかごを揺らしてくれぃ」というようなことを いってきたので、いつも以上に(確か3,4人がかりで)ゆりかごを揺らした。その先端にしゃがんで今か今かと タイミングを見計らっているA君。しかし不幸は突然起きた。 あまりに揺らし過ぎて、ゆりかごが真上近く、ようは反対向きになるくらいの位置で突然ゆりかご 本体が支柱から外れて落下してきたのである。幸いにもA君はもとより誰一人として ケガはなかったものの、一歩間違えれば死亡事故にもなりうるハプニングであった。 当然翌日にはゆりかご型ブランコは撤去されていて、支柱だけが残っていた。 と、なぜか途中から「ヒーロー」と全く無縁なお話になってしまったが、ま、いいか。 ・・もとい、そんなのカンケーねぇ! だ(2回目)。 |